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 東京、神奈川、千葉、埼玉で自主夜間中学を運営する民間6団体が18日、荒川区で生徒の作品展を開く。これまで半世紀あまり、公立の夜間中学の作品展に参加してきたが、公立側から「公立のみの発表の場とする」と申し入れがあり、初の別開催となる。

 関係者によると、申し入れは昨年11月。56回目となる今回から公立のみとする理由として、費用などは公費でまかなわれている▽新たに参加を望む民間団体が出てきた場合に可否の線引きが難しい、の2点が示された。

 公立夜間中学の団体「都夜間中学校研究会」の会長で、墨田区立文花中学校長の遠藤博則さんは、特に費用面の問題が大きかったという。「各区からの補助金は『公立夜間中学校作品展』あてになっており、校長と副校長の会議で『補助金の適正執行を考えると、民間を含めるのは問題がある』という結論になった」と話す。

 自主夜間中学の団体からは「今まで共にやってきたのに」と批判や残念がる声が上がったが、作品発表を優先し、今回はやむなく単独で開くことにした。

 公立と自主夜間中学を支援する「夜間中学校と教育を語る会」共同代表の庄司匠さんは、自主夜間中学の存在意義について「(仕事の都合や生活上などの理由で)公立のように毎日通うことができない生徒の重要な受け皿になっている」と指摘。「教育機会確保法にも『国、地方公共団体、民間の団体その他の関係者の相互の密接な連携』がうたわれている。生徒のためにも、次回からは再び一緒に開きたい」と語る。

 「語る会」が主催する「自主夜間中学~わたしたちの作品展」は、墨田区の「えんぴつの会」など6団体が参加し、18日午前10時から午後2時まで、荒川区荒川2丁目のアクロス荒川で開かれる。一方、23区内に7校ある公立夜間中学は、23日から27日まで大田区蒲田5丁目の同区民ホールで「10代から80代までの中学生による夜間中学校作品展」を開催する。どちらも無料。

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